鬼哭酔夢魔京・羅生門プレイ当時。
「はー、神シナリオに神レイドだったわ……マジ今までで最高のイベントだったのでは?」
そう思った彼の前に現れたのは、無情な風評だった――
鬼哭酔夢魔京・羅生門は黒歴史。
「――――――はっ?」
独歩キレた。
(c)Fate/GrandOrder / TYPE-MOON / FGO PROJECT
■俺が鬼哭酔夢魔京・羅生門の面白さを教えてやる
はい。
というわけで俺史上当時もっとも面白かったシナリオ羅生門の面白さを語って聞かせてやるからありがたく聞けやコラという趣旨の記事です。
ちなみに「羅生門が一番面白いとか他のイベントどんだけ酷いんだよw」というゲーセンの動物園から飛びだしたみたいな人間を対象にしているわけでないです。いいな?
いや、ほんとストーリーもシステムもめっちゃ面白かったんだけど、これが不評とかマジ? というノリで面白さをふつうに書いていく。
■躯に叩き込まれるプレイングスキル ――リトライごとに上達が判るシステム
まず鬼哭酔夢魔京・羅生門は高難易度イベントだ。
そして、ソシャゲのイベントあるあるとして、プレイヤーはだいたいがこう思っている。
「効率優先で最大難易度をまわそう」
そう、ソシャゲにおいて難易度選択は形骸化している。
自分にあった適性難易度で回す、という発想は薄れ、プレイヤーは「最大難易度で(自分が)クリアできるのが当たり前」と考える人間がいたのだ。
そのため、当時は600万に突撃して荒れる人間が沢山いた。自分がこのクエストには力不足なだけだし、なら出来るところをやればいいと考えず、自分がクリアできない状況にしていることに文句を言うのである。
羅生門は、その暗黙の了解へ(結果的に)ヤクザキックをかますことになって荒れた。
そして俺は痺れた(ルビ:ゴールデンスパーク)。
「これだ! これが高難易度だ!!」
さらにこの羅生門、ただ難易度が高い、クリアするのが難しい、といっただけのストレスが溜まるものでは断じてない。
何故かというと、編成を変えずにリトライを繰り返すごとに、自然とクリアが安定していくのである。
最初はギリギリで勝利できた編成でも、気づけば余裕を持って危なげなくクリアできるようになっている。
繰り返すごとに「スキル使用タイミング」「状況判断」「撃破の順番」……そういった攻略法が自然と頭に叩き込まれてたのだ。
この、自分が成長している実感を与えてくるレベルデザインが本当に秀逸で、
「最初はこんなの無理、と思っているのに、いつの間にか余裕を持ってクリアできるようになっている」
こんな風にゲームを攻略して、強敵に立ち向かっている感覚を与えてくれたのが羅生門の戦闘設計の妙なのだ。
FGOで一気に輝きを増したサーヴァントことハサン先生に助けられた。
さらにこの成長の実感は錯覚ではなく、後に6章のガウェイン戦にて生かされることになるのだから、この「攻略法を教えるのではなく自分で見つけさせる」運営スタイルは一貫していて感動してしまった。
ただ、間違いなくソシャゲの運営方針としては時流に反している。
だからこれをクソゲーと〝誤解〟した人間には黒歴史呼ばわりされたりする面もある。(捕捉…つまりこのシステムがクソというのではなく自分のスタイル、嗜好にあわなかったって話だよなぁ? ということだ)
ゲームのレベルデザイン以外にも、このように低きに流れない運営方針を改めて見て感動したという、二重の意味で素晴らしいシステムのアプローチだった。
もちろん運営方針に文句がないとは言わないけど、ここは絶対に譲らないというメイン骨子があってその骨子の出来を高めようとする意志がある以上、安直に周囲の声に従って低きに流れて結果趣旨がぼやけて角が取れた凡庸なものになる事故が発生しないことへの信頼感を確かなものにできたという意味での素晴らしいだぞ。
■戦いの中で明かされていく金時と酒呑童子の過去
もうこれですわ。これ。これだけでゴールデン。ゴールデンボンバー、ゴールデンボールブレイカー。
この素朴な味付けですよ。ラーメンで言う所のスープがうまい、麺がうまい、それ以外なんもいらねえ!
そんな潔さがあふれるシナリオですよ。
もうね、このシナリオの前には壮大な伏線だとか叙述トリックだとかどんでん返しとか、そういった細工はいらないんです。いらない。ただふたりの慣れ染めが見たい。
羅生門のシナリオは、つまり日常系アニメであり小説におけるセックスなのだ。
そこに波乱に満ちあふれた技巧溢れるシナリオなど必要ではない。
坂田金時というバーサーカーでありながら明確な理性を持ち得るほどの快男児、筋肉モリモリマッチョマン。その実メンタル低学年。
気の良い兄貴分たる金時と、なにやら因縁浅からぬ童女の鬼、酒呑童子。
これだけでサスペンスであり、先が気になり、もうこのシナリオの主題はこれほどの男の過去を語るだけで充分である。
その回想を、酒呑童子の力を使う茨木童子との戦いの中で思い出す……。
金時と酒呑の関係性が魅力的に語られ、このふたりが約束された史実の結末へと歩んでいくことに緊張すらしてしまう。
そして最後の最後に は、酒呑童子がやってきた理由が明かされることで、彼女の超常性と金時ほどの男が敵わないと感じてしまう要因が表現されて終わるわけで、その魅力の高さたるや。
もうこれだけですき……。
英雄と、その英霊が自らの手で殺してしまった思い人。そんな悲恋を終わらせて、ふたりが背中を並べて戦うようになれる……英霊召喚システムの醍醐味のひとつですよこれは。
そういった意味で、Fateのギミックを活用して救済と罪悪感への決着を書いてるんだから間違いなくFateだよ!(暴論)
一文でまとめると、
羅生門組最高、
となるシナリオなわけですな。
■
というわけでさっと殴り書きした羅生門の長所は以上である。
他にも「DPやミッション制はやること明白だし交換用素材集めながらDP報酬もらえるなんて便利だな~」とかあるのだが、まあそれはわざわざ言うまでもないだろう。
ちなみに俺なんてクリア報酬の石×10個すら、
「そりゃ最初から配布鯖がいるなんて書いてないんだし、特殊なものが貰えるとすら思ってないし」
「そもそも誰かが必死こいても削り切れるゲージじゃないから、〝プレイヤーがDP報酬目当てで戦う→その結果としてレイドボスのゲージが削り切れている〟ように設計してたんでしょ。
ならDPを減らした行為による報酬は、DP報酬が全うしているわけで、討伐時の報酬なんてオマケじゃん」
としか考えてなかったために悪感情も抱かなかったので、やっぱり神イベントのままで終わったわけだ。
まあなんていうか、ゲームの楽しみ方ってマインドセットや着眼点次第だなあ、と思いました。
この世に酒呑童子さまが誕生しただけで神イベントだったのは確定的に明かでしたね。
ありがとうグランドオーダー。
水着イベント、期待してるぜ!!
2017/06/08 23:22 |
雑記
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