麗しくも美しい魔王さまたちの活躍を毎週金曜日に放送し、我々崇拝者の心労を消し去ってくれる冒涜的コンテンツである!!!
現時点において5話まで放送されている『sin 七つの大罪』。
ホビージャパンによる開始された企画『七つの大罪』のアニメ版であり、蟲師などで知られるアートランドが手がける気合のはいった作品だ。
キャラクター原案はデモンベインのNiθ、楽曲にはデーモン閣下。作画にはグローランサーシリーズのうるし原智志、これまで数々のハイクオリティ作品を作り上げてきた梅津泰臣らが参加。魔王さま方の素敵な姿をこれ以上なく力をいれて描き出している。
そんなsin 七つの大罪、アニメでは、魔王へと堕天した元・天使『傲慢』のルシファーさまと人間の少女・真莉亜が七つの大罪を冠する魔王さまたちに報復していくという筋書きで話が進んでいく。
こ れまでは『色欲』のアスモデウスさま、『強欲』のマモンさまを退けてきたルシファーさまご一行。
5話では『憂鬱』のアスタロトさまと戦うことになる――。
(c)sin 七つの大罪 / 「sin 七つの大罪」パートナーズ
地下ア イドル活動で。
(c)sin 七つの大罪 / 「sin 七つの大罪」パートナーズ
いきなりレコーディングが開始したものだから流石に噴き出しました。なんだこれは。
しかしアニメを見終わる頃にはこのライブ対決で涙することになるとは思わなかったのです……。
さて、何故こんなことになったか。
それはアスタロトさまが魔王である自分の信者を増やすため、人間界で地下アイドル活動をしていたためでした。
『憂鬱』の大罪を冠するアスタロトさま、その称号が表す通り性格は臆病で内気。
他の魔王さまたちはルシファーさま相手でも一歩も引かない態度でありながら、アスタロトさまは対面しただけでこれです。
(c)sin 七つの大罪 / 「sin 七つの大罪」パートナーズ
もう戦わずして負けそう。
ルシファーさまはアスタロトさまの得意分野である歌で勝負するためか、仲間と共に相手の楽曲をカヴァーしネットにアップロードする始末。
しかもどんどん再生回数は伸びていき、アスタロトさまの動画を越えてしまう。
そんな堂々たる活躍ぶりに自信を喪失していく地下アイドル・アスタロトさま。
同時に、その歌う姿に目を輝かせる音楽好きとしての自分もいる……。
「闇は光には勝てない」と自虐するアスタロト様ですが、
「光の速さには勝てなくとも、闇の深さも誰にも判らない」と普段は口にできない自分へのアンサーを歌詞にのせて〝歌〟で対抗!
これに負けないようにルシファーさまもさらに活動を広げていき……。
このように、直接顔をあわせることはなくとも、お互いの音楽、アイドル活動で勝負していく姿はアイドル物としての熱さがあります。
なにより、ここまでルシファーさまは強敵相手でも最後には圧倒的な勝利を飾っていましたが、アスタロトさまがアップロードした楽曲の人気でついに敗北感を覚えてしまうことに。
最弱の魔王と自他ともに認める『憂鬱』の魔王が、自身が好きな歌の分野で初めて膝を突かせるのは胸が熱くなります。
しかし、一度敗北したルシファーさまも負けてはいません。
今度はさらに勝つために新曲をリリースを画策。配下である真莉亜に新曲の用意を頼み、今度は追いかける側としてアイドル活動をおこなっていく……。
(c)sin 七つの大罪 / 「sin 七つの大罪」パートナーズ
魔王さまの無茶ぶりにも「任せて」の一言でさらなる新規曲を生み出すシスター。
これが〝どすけべちほー〟のラッキービーストです。
そしてついに雌雄を決するため、アスタロトさまは友人や主の助けを借りて新PVを公開。
メジャーデビューをし、初ライブを開催することになるが。
(c)sin 七つの大罪 / 「sin 七つの大罪」パートナーズ
トイレに脱走。
初めての人前でのライブに足が竦んでしまいトイレに逃げ込んでしまう事態に。
これまでネット配信でしか活動していなかったアスタロトさま、人前に出るのが怖いというアイドルとしては致命的な欠点が露呈してしまう。
さらには、この隙に飛び入り参加したルシファーさまがステージを乗っ取ってしまう……。
友人(ベルフェゴール)の「客はアスタロトの味方だよ。思ってることは全部歌でぶつければいいよ」の一言で立ち上がり、ステージ上で待ち構えるルシファーさまに立ち向かう!
(c)sin 七つの大罪 / 「sin 七つの大罪」パートナーズ
こんな風に怯えてばかりだった最弱の魔王が歌という武器を携えて、
強大な魔王ルシファーに宣戦布告をする。
(c)sin 七つの大罪 / 「sin 七つの大罪」パートナーズ
「このステージを貴女から取り返します」
(c)sin 七つの大罪 / 「sin 七つの大罪」パートナーズ
そして対バンでの戦いが幕を開ける!
これまで本編で流れてきたキャラソンをお互い相手にあわせるように歌うふたりのライブバトル。
あんなにも内気で「光には勝てない」と言っていたアスタロトさま。
(c)sin 七つの大罪 / 「sin 七つの大罪」パートナーズ
けれど、ステージ上には憂鬱系アイドル・アスタロトとして姿が〝ライト〟をバックに光り輝いていた。
これまでの話で出てきた魔王さまたちは自分の布教活動では人を食い物にする面もあり、かつ自分の行動に何らかの思う所もありました。
なので、ルシファーさまによって蹂躙されてきたわけです。
しかし、アスタロトさまは彼女たちよりも力で劣る身でありながら、「なによりアイドルと歌が好き」その一心だけで渡り合う。
ライブのあとにはルシファーさまに向かって、「自分は(ルシファーと敵対する)ベリアルさまの味方」と宣言までしてみせる。
わずか1話での成長劇。これが第5話の圧倒的魅力でした。
いや、本当、話単体としても良いんですけど、これまでの話があってこその話であり、かつこれまでの話の見方が変わってくる演出、ルシファーさまと人間の交流やスタンス、堕天の原因など複線を回収しながら新たなシナリオフックを投げていく構成がいいんですよね……。
シーンそのものを見ていくと、わりと細切れになっていて前後が繋がってないのでは? と思いながらも、見終わったときには話が成立している。それが5話のすさまじさなわけです。
今度は公式が1~3話の無料配信をおこないますし、4話はどこかでどうにかするとして、わりと見やすいチャンスです。
今後どんどん話が面白くなっていきそうなsin 七つの大罪。
今期オススメアニメの一角ですよ!!!
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